2002年8月24日(土)PM10:00〜からオンエアーされましたラジオ日本「アコースティックアイランド」でゲスト出演しました青山氏のお話を抜粋しました。
アナ | よろしくお願いしま〜す。早速なんですけど、このマンドリンという楽器はどこの国で生まれた楽器なんですか? |
青山 | これはイタリアの楽器なんです。 |
アナ | なんか、結構小さいですね? |
青山 | そうですね、ギターなんかに比べると、だいぶ小さいですよね。 |
アナ | このマンドリンの特徴っていうのは・・・? |
青山 | そうですね、あの〜、トレモロ奏法って言いましてね、右手を速く動かして演奏するというのが,まぁ一番特徴的な弾き方ですね。 |
アナ | トゥルトゥルトゥルトゥル〜、ってこれですね? |
青山 | そうですね。そういうことです。 |
アナ | なんかギターよりも小さいのに音は大きく出るって聞きましたけど? |
青山 | はい。結構張りが強くって音域がギターよりも高いので、割と音の通りが良いんですね。ボディーは小さいんですけども。 |
アナ | ここで1曲お届けして、またこの後、続きお話聞かせてください。では、青山忠さんのマンドリンアンサンブルアルバム、「Mandolino Romantico W」より、『メモリー』 |
『メモリー』演奏中 |
|
アナ | マンドリンプレイヤーの青山忠さんのアルバム、「Mandolino Romantico W」より、『メモリー』をお届けしました。このマンドリンアンサンブルのアルバムというのは、マンドリーノ・ロマンティコ「フォー」 になっていますが、4枚目ということなんでしょうか? |
青山 | あの〜、これはクラウンから出ているんですけど、クラウンになってから4枚目。 |
アナ | なるほど。アンサンブルの場合って、マンドリンの他にどんな楽器が出てくるんですか? |
青山 | えっと、このアルバムでは、マンドリンが2パートで、マンドラというマンドリンより1オクターブ低い楽器がありまして、あとギターと、4つの楽器で演奏してます。 |
アナ | ふぅ〜ん。なんかこう、今の季節にとっても良い、涼しげな感じですねぇ。 |
青山 | あぁ、そうですか。ありがとうございます。 |
アナ | 聴いててホントに心地良いなって思いますけども。 |
青山 | ありがとうございます。 |
アナ | 青山さんがこのマンドリンという楽器に出会ったのはいつ頃だったんでしょう? |
青山 | あの〜、あんまり劇的なものは無いんですけれども・・・ |
アナ | そうなんですか? |
青山 | えぇ、入った学校にたまたまマンドリンクラブがあったっていう、それだけなんです。 |
アナ | でも、その学校にはマンドリンしかなかったわけじゃないと思うんですけど。 |
青山 | そうなんですよね。まぁ、簡単に言うと先輩に捕まっちゃったっていうような感じですよね。(笑) |
アナ | そうですか。でも、その時はマンドリンプレイヤーに将来自分がなるとは思ってらっしゃらなかった? |
青山 | もちろん、まったく思ってないですね。 |
アナ | それではこのマンドリンでご飯を食べるっていいますか、生活をして行こうという風に思ったのは、どんなキッカケがあったんでしょうか? |
青山 | え〜っと、たいしたキッカケは無いんですけれども、大学卒業するときに他に出来るものが何にも無かったんで、これで食べていけないかな、って思ったんですね。 |
アナ | 最初のお仕事はどんな感じでしたか? |
青山 | NHKの洋楽オーディションっていうのに合格して、はじめてFM番組に、合格すると出させてもらえるんですよ。で、それに出て、出演料を貰ったのが多分初めてだと思うんですよね。ちゃんと演奏をしてお金を頂いたっていうのは。 |
アナ | それからずっとだったんですね。 |
青山 | そうですね〜。はい。 |
アナ | マンドリンへのこだわりっていうのが何かあったら教えていただきたいんですけども? |
青山 | あの〜、相当こだわりが無い方だと思うんです。割と普通の方はひとつのマンドリン大事にというか、使うんですけど、僕はいろんな楽器をとっかえひっかえ、いろんな曲に合わせたりしていろんなものを使いたいなっていうことなので。ひとつのマンドリンにこだわるっていうことはあんまりないんですね。 |
アナ | ということは・・・、青山さんはたくさんマンドリンを持ってらっしゃるんですね? |
青山 | はい。うちにマンドリンだけじゃなくて、さっき言いましたマンドラとか、他の楽器も含めてすごい数があります。 |
アナ | すごい数!! どのくらいでしょうか? |
青山 | いや、ちょっと良く分からないですね。 |
アナ | そんなに分からないぐらいあるんですね? |
青山 | はい。 |
アナ | なんかすごくアコースティックっぽくなってきったっていう感じがしますが、青山さんとしては音楽的にどういったジャンルのものをなさっているんでしょうか? |
青山 | もともとはクラシックとか、マンドリンのために書かれたソロの曲とか、そういうものをずっとやってきてたんですけども、先ほどのアルバムのように、最近は映画音楽とかミュージカルとかの曲なんかも積極的に弾いたりとか、あと最近シンガーソングライターの山梨鐐平さんと出会いまして、山梨さんが作ってくれた曲を演奏したりとか、少しそういうポピュラーなジャンルの方にも仕事が広がってきています。 |
アナ | それではここで、特別ゲストをご紹介しま〜す。(拍手)山梨鐐平さんで〜す。こんばんは〜。 |
山梨 | ど〜も〜。ず〜っといたんですけど・・・。(笑) |
アナ | そうなんですよね。じ〜っと黙って・・・。 |
山梨 | 青山さんって人はねぇ、地味で低い声のおっさんが喋ってる・・・〈携帯着信〉あっ! ごめん!(笑) これ、すいません、僕の携帯でした、ごめんなさい。消します。すいません。ごめんなさい・・・。 |
アナ | 大丈夫です。 |
山梨 | でもねぇ、青山さんっていうのは天才なんですよ。うん。自分がさぁ、あんまり天才っていうの言わないんですよね。って言うか、自分のことうまく言えないと思うの。すごい人なのホントに。こだわってない風で・・・。だってこんなに綺麗な音出すんですよ。こだわってるに決まってるじゃないですか。 |
アナ | そうなんですよね。なかなかそれを聞いても教えていただけないですね〜。 |
山梨 | そういうこと言う人じゃないんです、この人は。人のことをとやかく言ったりですね、青山さんが人のことを悪く言ったのなんて聞いたこと無いですよ。(笑) |
アナ | そうですか。(青山さん笑い続ける・・・) |
山梨 | それ、本題と関係ないですけど、青山さんのすごいのは、彼は天才でありながら、マンドリンというものを広めようとしてるの。自分のプレイがどうのこうのじゃなくて、マンドリン音楽を広めようとしてるっていうのがすごいと思うの。だって今年中に出る青山さんの次のアルバムなんか、青山さんコンダクターですよ。マンドリンオーケストラの指揮だけやってて、自分はプレイしてないの。 〈携帯着信〉 あれぇ!? |
アナ | 電話で〜す。(笑) |
山梨 | なんだ、これ〜!? ちゃんと切っておかなきゃいけない・・・ いやぁ、だからね、とんでもない人とお話してるんです。 |
アナ | はい。そうですね、だって日本のマンドリンプレイヤーの第一人者ですもんね。 |
山梨 | いや、世界的に見ても僕はねぇ、素晴らしい声質・・・じゃないや、声は低いんですけど・・・、音質のマンドリンプレイヤーだと思います。 |
アナ | ところで、山梨さんと青山さんの出会いというのは? |
山梨 | 僕はねぇ、あのねぇ、マンドリンという楽器もマンドリンの音色もずっと昔から好きで、いつかマンドリンと一緒にやりたいんだなんて、みんなに話してたんですよ。そしたらみんながね、「青山忠さんって人がいるよ」なんて、色々教えてくれる人がすごくたくさんいたんですよ。それでいつも青山さんと一緒に仕事がしたくって、レコーディングなんかでもね、マンドリンを入れたいなって思うときは常に、「青山忠さんで」なんて指定してたんですけど、忙しい人なんです、とにかく。 |
アナ | う〜ん、そうでしょうねぇ。 |
山梨 | いつも来る人がねぇ、なんか普通のおばちゃんみたいな人がマンドリン持って来たりですねぇ。なんか、青山さんじゃない人が来るんですね。普通のお兄さんみたいな・・・ ごめんなさいね、青山さん。僕、いろいろ喋っちゃって。 |
青山 | いえいえ、もう最高、今日は。(笑) |
山梨 | いやいや(笑) それである日突然、「あっ、青山さんって人は、きっとポピュラーっていうか、こういう僕みたいな音楽っていうのは演奏してくれない人なんだな」って思って、諦めたんですよ。そしてある時、頼みもしないのに、(笑)それはね、レコーディングじゃなくって、コンサートのリハーサルだったんですけども、青山さんが来て下さったんですよ。 |
アナ | おばちゃんを頼んだのに(笑) |
山梨 | えぇ。嬉しかったですね〜だから、もう。だから諦めちゃいけないなっと思いました。何事も。 |
アナ | お付き合いはどのくらいになるんですか? |
山梨 | それからもう3年ですね。 |
アナ | 3年ですかぁ〜。こんな風に、山梨さんがラブコールを送ってくださって、それで一緒にこういうポピュラーなジャンルにも関わることになったと思うんですけど、何かやっぱり、さっきもちょっとうかがいましたが、ギターとマンドリンのこの組み合わせっていうのは、青山さん的にはどんなことを感じるんですか? |
青山 | いや、これは楽しいですよ、やっぱり。あの、すごく相性が良いんで、すごくやってて楽しいですね。 |
アナ | なんか、駆け引きみたいのとかってあるんですか? |
山梨 | あのねぇ、すごい面白いんですよ、これが。言っても分からないと思うんですけど・・・(笑)最初はね、駆け引きしてくださらなかったんですよ、青山さん。でもだんだん、だんだん慣れてきて、あの〜、最近ではホントに譜面に書かない、書いてない部分も弾いてくれたりですねぇ、歩み寄ってきてくださってるなってのを感じますね。 |
アナ | 楽器同士の会話っていうの、ありますよね? もちろん、プレイヤーを通してですけどね。それは一番楽しいところですよね? |
青山 山梨 |
そうですね。 |
アナ | (アナ) それでは最後に、山梨鐐平さんのアルバム、「薔薇の伝言」からギターとマンドリンのインストゥルメンタルの曲をお届けしましょう。 『カフェ・マンドリーノ』 |
『カフェ・マンドリーノ』演奏中 |
|
アナ | 皆さん、マンドリンって触ったことありましたか? なんか知ってるんだけど、実はよく分からないっていう、不思議な楽器だなっていうことを発見しました。皆さんも機会があったら是非マンドリンに触ってみてくださいねぇ〜。それにしても青山さんって、生粋の「プレイヤー」なんだなと感じました。今日のゲスト、青山忠さんの次のライヴは10月12日土曜日、池袋アムラックスホールにて行われる予定で〜す。 |